ヘマトロジー2 -急性白血病治療・#チーム医療でまとまる移植後長期フォローアップ外来(LTFU外来)-

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5,390円
(本体4,900円+税)

著者 谷口修一 著・文・その他、編集、企画・原案
ジャンル 医学  > 臨床医学内科系  > 血液
シリーズ ヘマトロジー
出版年月日 2020/04/20
書店発売日 2020/04/20
ISBN 9784991092763
判型・ページ数 B5・116ページ
定価 5,390円(本体4,900円+税)
在庫 在庫あり
内容紹介
目次
電子書籍

白血病診療を取り巻く環境は大きく変わり,一気に治療成績を変えてしまうブレイクスルーが何回かあった。リツキシマブの登場は悪性リンパ腫の化学療法を大きく変え,イマチニブをはじめとするチロシンキナーゼ阻害薬の登場は,慢性骨髄性白血病の治療を根底から変えてしまうインパクトがあった。  そして,またこの数年は急性白血病に対する化学療法そのものが大きく様変わりするような新規薬剤が登場している。一定期間にこれほどの新規治療薬が登場するのはほかに例をみないと思う。急性骨髄性白血病では,全症例の30 %にみられる予後不良因子の1つとされるFLT3-ITDの遺伝子変異に対する分子標的薬ギルテリチニブが2018年12月,次いで2019年6月にはキザルチニブも保険収載されている。急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)の世界でも,CD22抗原をターゲットとしたイノツズマブ オゾガマイシンが2018年1月,続いて2018年9月にはCD19抗原と患者T-リンパ球(CD3)を結合させ免疫の力で治療するブリナツモマブも登場している。また最近話題の細胞療法も,2019年5月CAR-T療法のかたちで承認され,ALLや悪性リンパ腫の症例で治療が開始されている。いずれも再発・難治の症例に限られているが,これらの薬剤が登場するまでは造血幹細胞移植のほかに治癒が期待できるものはないとされてきた領域である。現場のエキスパートの先生方が,どのようにこの再発・難治の白血病に対して治療戦略を考えていくのか,ぜひ,この機会にお聞きしたくて,鼎談と原稿をお願いしている。また移植の適応を考えるうえで,新規薬剤とは別の方向から有用な情報を提供してくれるのが,白血病細胞の染色体や遺伝子の情報である。「がんゲノム」時代において,山口博樹先生(日本医科大学)に解説をお願いした。  昨今,さまざまな領域で「チーム医療」という言葉を聞くようになった。そのなかでも,造血幹細胞移植の世界は「チーム医療」なくしては診療できないレベルまできている。そこで,年間150例以上の造血幹細胞移植を実施している森有紀先生(虎の門病院)に「チーム医療」の実際を紹介してもらった。
巻頭言
『ヘマトロジー』の魅力

鼎談
新規治療薬時代の移植医療の選択
谷口修一(虎の門病院 副院長・血液内科部長),福田隆浩(国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科 科長),
長藤宏司(久留米大学医学部内科学講座血液・腫瘍内科部門 主任教授)

特集  急性白血病治療―新規薬剤でこう変わる
1) 目前に控える新たな急性骨髄性白血病治療
木口亨(中国中央病院血液内科 部長)
2) 急性リンパ性白血病
水田秀一(金沢医科大学血液免疫内科学 教授)
3) Ph急性リンパ性白血病
木村晋也(佐賀大学医学部内科学講座血液・呼吸器・腫瘍内科 教授)
4) 小児急性骨髄性白血病治療の新展開
富澤 大輔(国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科 診療部長),
辻本 信一(国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科)

総説
1) 移植後シクロホスファミドを用いたHLA半合致移植の今
杉田純一(北海道大学病院検査・輸血部 講師)
2) がんゲノム時代における急性骨髄性白血病の治療
山口博樹(日本医科大学血液内科 准教授)

TOPICS
新しくなったJALSG(特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構)
宮﨑泰司(JALSG 理事長,長崎大学原爆後障害医療研究所原爆・ヒバクシャ医療部門 教授)

CASE REPORT  ♯チーム医療でまとまる移植後長期フォローアップ外来(LTFU外来)
1) 移植後晩期合併症
森有紀(虎の門病院血液内科 医長)
2) 感染症
村田恵理子(虎の門病院看護部 看護師),森有紀
3) GVRD
本井多希(虎の門病院看護部 がん看護専門看護師)
4) 日常サポート・社会復帰
高橋歩美(虎の門病院看護部 看護師),橋本伊利奈(虎の門病院看護部 看護師)
5) 食事・栄養
大山博子(虎の門病院栄養部 科長(管理栄養士))
6) 妊孕性
成田円(虎の門病院血液内科 移植コーディネーター)
知っておくべき最新臨床試験
原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対するペムブロリズマブ単剤療法
(KEYNOTE-013 第Ib相試験・KEYNOTE-170 第II相試験)
伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科 科長)
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